信用保証協会付き融資の仕組み
信用保証協会は、美容室を開業したい人が金融機関からお金を借りるとき、保証人の役割を果たしてくれる公的な機関です。全国各地にあり、地域に根ざした業務を行っています。
この融資制度は、信用保証協会・金融機関・事業者の3者で成り立っています。開業したばかりの美容室オーナーは実績がないため、民間の金融機関から直接お金を借りるのは難しいケースが多いです。でも、信用保証協会の保証が付けば、金融機関としては貸し倒れのリスクが下がるので、融資を出しやすくなります。
万が一、返済ができなくなった場合は信用保証協会が金融機関へ立て替え払いをします。ただし、返済が免除されるわけではなく、立て替え分は信用保証協会へ返す必要があります。
創業時に使える保証制度の比較
美容室の開業で利用できる代表的な保証制度は以下のとおりです。
| 項目 | 創業関連保証 | 創業等支援資金(自治体制度融資) |
|---|---|---|
| 保証限度額 | 3,500万円 | 2,500万円(自治体による) |
| 保証料率 | 年0.8%程度 | 年0.79%程度 |
| 担保 | 不要 | 不要 |
| 連帯保証人 | 法人代表者以外は原則不要 | 法人代表者以外は原則不要 |
| 返済期間 | 設備10年以内・運転10年以内 | 設備10年以内・運転7年以内 |
創業関連保証の限度額は、2021年の法改正で2,000万円から3,500万円に引き上げられました。内装工事や設備投資で1,000万円を超える資金が必要な美容室開業には、使い勝手がよくなっています。
なお、保証料率は企業の経営状況によって9段階に分かれており、上記はあくまで目安です。東京信用保証協会の場合、融資額1,000万円以下で上限1.55%、500万円以下で上限1.27%となっています。
日本政策金融公庫との違い
美容室の開業融資では、日本政策金融公庫と信用保証協会付き融資のどちらを使うか迷う方が多いです。それぞれの特徴を整理します。
- 金利の違い — 公庫は固定金利で年1〜3%台が中心。信用保証協会付き融資は金融機関所定の金利に加えて保証料がかかるため、合計コストで比較する必要があります
- 審査期間 — 公庫は3〜4週間が目安。信用保証協会付き融資は、自治体・保証協会・金融機関の3者が関与するため、1〜2か月かかることもあります
- 申込先 — 公庫は直接申込み。保証協会付きは金融機関経由か、保証協会へ直接申込む方法の2通りがあります
大事なのは、「どちらか一方」ではなく「両方を組み合わせる」という選択肢です。これを協調融資といい、公庫と金融機関がそれぞれの融資額を分担します。1か所あたりの融資額が小さくなるため、審査が通りやすくなる傾向があります。
申込みの流れと注意点
信用保証協会付き融資を申し込むときの流れは以下のとおりです。
- 金融機関の窓口で相談し、必要書類を確認する
- 事業計画書・借入申込書を提出する
- 金融機関から信用保証協会へ保証の申込みが行われる
- 信用保証協会の審査を経て、信用保証書が発行される
- 金融機関が最終判断を行い、融資が実行される
注意したいポイントがいくつかあります。
- 保健所への届出が必要 — 美容室を開業するには保健所への「美容所開設届」が必要です。融資の申込み自体は届出前でも可能ですが、保証協会の審査過程で営業に必要な届出の状況を確認されることがあるため、早めに準備を進めましょう
- 保証料の補助制度 — 自治体によっては、支払った保証料の一部を補助してくれる制度があります。最大20万円ほど戻るケースもあるので、市区町村の窓口に確認してみてください
- 認定支援機関の活用 — 認定支援機関(税理士など)のサポートを受けて申請すると、保証料が引き下げられる場合があります(適用条件は保証制度や自治体によって異なります)。事業計画の精度が上がることで審査がスムーズに進みやすくなるメリットもあります
当事務所のサポート
当事務所は認定支援機関として、美容室の開業融資を数多くお手伝いしてきました。信用保証協会付き融資と日本政策金融公庫の協調融資を組み合わせた資金調達や、事業計画書の作成支援、金融機関との面談対策まで一貫してサポートしています。開業資金の調達でお悩みの方は、お気軽にご相談ください。
